<鼻の症状>
痒 み
くしゃみ :10数回〜一日中絶え間なく続く
鼻 水 :水の様にサラサラしていて、流れ出るという感じ
鼻づまり
<目の症状>
痒 み
涙 目
白目やまぶたが腫れる
<のどの症状>
痒 み
痛 み(鼻づまりによって、口呼吸となり口の中が乾燥するため)
<その他>
咳、頭痛、疲労感、胃腸の調子が悪い、不眠、微熱、など
※ 風邪との区別は?
風邪でも似たような症状が出ますが、風邪の場合は、3日から1週間ぐらいで症状が治まります。
花粉症の場合は、上記の症状が
1) 毎年、ほぼ同じ季節に症状が出る
2) 日によって、年によって強弱はあるが、毎年花粉のシーズン中ずっと続く(1〜2ヶ月)
のが特徴です。
1) 皮膚テスト (スクラッチ法)
〈方法〉
前腕の内側にアレルギーの原因となる可能性のある数種類のエキスを滴下し、そこをごく浅く針の先で傷をつけ、15分後に、痒みや発赤等が現れるか反応をみます。
発赤は10o径以上、膨疹は5o径以上が陽性の大体の基準です。
〈利点〉
・ 結果がすぐわかり、反応を直接見る事ができる。
・ 簡便で安全な方法である
・ 血液検査よりも、感度が高い(原因物質に敏感である)
・ 安価である
〈欠点〉
・ 15分間じっとしていなければいけない。
・ 検査前3〜4日、アレルギーの薬をやめなければいけない。
※ 当院では、カンジダ、ブタクサ、ダニ、ハウスダスト、スギ、カモガヤ、家の中で犬や猫を飼っている方は、犬の毛、猫の毛、を追加して行っています。
2) 血液検査
〈方法〉
血液をとって、血液中の原因物質に対する抗体の量を調べます。
〈利点〉
・ 1回の採血で、何種類もの原因物質を検査できる。
・ 原因物質に対する抗体の量を調べる事によって、アレルギーの程度が半定量的にわかる。
・ 休薬しなくて良い。
〈欠点〉
・ 採血時に痛みがある。
・ 幼児では採血しにくい。
・ 結果がわかるのに約1週間かかる。
・ 値段が高い。(皮膚テストのおよそ6〜7倍)
3) 鼻汁好酸球検査
〈方法〉
鼻汁を綿棒でぬぐい取り、スライドガラスに塗り、染色をして、顕微鏡で見ます。アレルギーがあれば、白血球の一種である好酸球がたくさん見つかり、アレルギー性鼻炎という診断が確実になります。
〈利点〉 簡便で安全な方法である
〈欠点〉 この検査だけでは、アレルギーの原因物質を特定する事はできない。
1) 花粉の回避
前述、*スギ花粉予防について*を参照して下さい。
2) 薬物治療(内服薬、局所薬=点鼻薬や点眼薬※)
(1) 予防薬(前もってその薬を使っていると、花粉を吸入しても症状が出にくくなる薬)の使用。→抗アレルギー薬
(2) 対症薬(出てしまった症状に対する治療薬)の使用。→抗ヒスタミン薬、副腎皮質ホルモン薬
※ 〈点眼薬とコンタクトレンズについて〉
レンズは、点眼の際は外すのが原則です。したがって、点眼はレンズを外す就寝前と起床時の2回投与が便利です。
レンズは、点眼後5〜10分経ってから入れます。しかし、花粉シーズン中は、メガネに代える方が花粉からの防護の上からも良いです。
3) 免疫療法(減感作療法)
低濃度微量の抗原(原因物質)エキスを皮下に注射します。これを2〜3年間定期的に行います。効果が出れば、何年間も症状が軽くなります。但し、速効性はなく、アレルギーの原因物質が複数ある時は、治療が難しい、局所や全身に副作用が起こる事があるという難点があります。
4) 手術療法
・ 薬で良くならない場合。
・ 鼻づまりのひどい場合に適用されます
鼻中隔わん曲症 鼻中隔わん曲矯正術
鼻たけ 鼻たけ切除術
鼻甲介肥厚 下鼻甲介切除術
電気凝固法
レーザーで焼く
現在では、花粉症の治療は、1)、2)が主体です。
■スギ花粉の多い日を、”花粉飛散の要注意日”や、天気予報を参考に確認する
■風の強い日や、花粉の多い日は、窓を閉める
■外出するときは、マスク、めがねをする
■上着は毛織物ではなく、化学繊維や木綿のスベスベした素材のものがよい。このような素材なら洗濯物も外に干しても大丈夫
■上着は部屋に持ち込まないで、玄関にかけておくとよい。はたくと、かえって飛び散った花粉を吸い込むことになります。
■外出から帰ったら、うがい、洗顔、鼻をかむ
■掃除はこまめにする。掃除機は後ろから粉塵のでないものがよい
花粉は鼻の高さに舞い、10分程度で床に落ちます。床をそっと掃除してください。
■体調を整える(よく寝る、風邪をひかないようにする、酒、たばこを控える)
■シーズン2週間前から、薬を飲み始める
■ 毎年秋になると、その年の夏の気温を基準にして、翌年の花粉飛散数の予測が発表されます。
■ 夏に暑い天気の良い日が続くと、花芽が多くつきます。そのため、春には多くの花粉が飛散すると予測されます。
■ 花粉飛散数が多くなると、体の中にも多くの花粉が入ってくるため、それだけで症状も強くなります。ただし、花粉の量が5倍、10倍になると症状も5倍、10倍強くなるわけではありませんので、あまり心配せず早めに医師に相談してください。